第51話

夜の暗がりの中、遠くから農場を見渡す恭弥。

2つの街灯のすぐ近くに、高い塀が見える。

さっと走って距離を詰め、塀に背中をつけた。

塀を登れば時間がかかり、しかも見つかる可能性だってある。

とはいえ、入口から入る訳にもいかない。

移動してみると、下水管のようなものが見えた。

恭弥は迷わず、その中に入る事を決意する。

狭い空洞をズリズリと這い進みながら、昔の体だったら楽勝だったはず、と思う。

ようやく反対側に出ると、ビニールハウスの前で2人の男が話しているのが見えた。

それなら中にはもっといるはず、と推測する恭弥。

後でまとめてかかってこられると厄介なため、少しでも相手の人数を減らしたほうが良いと判断した。

問題は、音を出さずに処理することだ。

2人の背中に回った恭弥は、車から持ち出してきたドライバーを手に持ち、隙を伺った。

道路を走る車の音が聞こえた瞬間、飛び出して1人の首に手を回した。

すかさずドライバーを投げつけ、もう1人の男の首に命中!

腕の中の男は、腕力で締め付ける。

「家族に手ぇ出してんじゃねえ」と言ったあと、ゴキッ!

ジタバタしていた男の足が、だらりと力を失った。

すぐに恭弥は、地面でのたうちまわる男に駆け寄り、ゴキゴキッ!

始末した2人をビニールハウスに運んで、そこにあったズタ袋を被せた。

2人の体をまさぐると、ナイフが見つかったため、それを手にとって先に進む。

ビニールハウスからビニールハウスへ、すばやく移動する恭弥。

1つだけ黒い布に覆われたハウスを見つけ、しかもその脇には黒いワゴンが見つかり、そこが怪しいと目星をつけた。

車に乗っている人数は不明だが、10人はいるだろう。

ハウスの隙間から覗くと、敵は全部で6人。

車に10人いるなら、16人は倒さねばならない。

一方の恭弥は、人質2人を守らねばならない。

勝てる見込みは薄いと考え、京極か神代を待つべきか、と考えた。

しかし、待っていたらダエルに危険が及んでしまう。

決意した恭弥は、武器を手に持ってハウスの中に飛び込んだ。

相手は恭弥の事を知っていて、一人が「西じゃねえか」と言ってきた。

恭弥は、人質になっているダエルの家族(妻と娘)に、須賀先生から頼まれて助けに来た事を伝える。

相手のボスの「やっちまえ」の号令とともに、部下たちが一斉に襲いかかって来た。

まずは1人のナイフをかわし、腕を捻ってそのナイフをかっさらう。

両手に持ったナイフで、相手を牽制した。

1人がナイフを繰り出してきたが、かわしてカウンターを仕掛ける。

相手の顔を切り裂いたが、避けられたために傷は浅かった。

さらに2人が同時にかかってきた。

恭弥はステップしてかわしたが、少なくともプロが3人混じっている事は判明した。

残りも格闘の素人ではない。

相手は再び、複数で恭弥に攻撃を仕掛けてきた。

人質を背中に戦う恭弥が、2人相手に集中していると、1人が恭弥の左側を抜けて人質を襲った。

「きゃあ」という悲鳴を聞いた恭弥は、さっと身を挺して人質を守る。

右肩に負傷を負ったが、すぐに反撃して相手の首をズバッ!

肩の負傷がひどいと判断し、短期決戦にしようと2つの武器を相手に向かって投じた。

これが2人の額にヒットし、残るは3人。

と思った矢先、入口から3人がやって来て、また6人に増えてしまった。

しかし、どこか様子がおかしい。

何か相談し始め、恭弥の事も一瞬忘れた様子。

「待機して下さいと伝えましたよね」

と言いながら入ってきたのは、京極だった。

引用:ピッコマ

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