夜の暗がりの中、遠くから農場を見渡す恭弥。
2つの街灯のすぐ近くに、高い塀が見える。
さっと走って距離を詰め、塀に背中をつけた。
塀を登れば時間がかかり、しかも見つかる可能性だってある。
とはいえ、入口から入る訳にもいかない。
移動してみると、下水管のようなものが見えた。
恭弥は迷わず、その中に入る事を決意する。
狭い空洞をズリズリと這い進みながら、昔の体だったら楽勝だったはず、と思う。
ようやく反対側に出ると、ビニールハウスの前で2人の男が話しているのが見えた。
それなら中にはもっといるはず、と推測する恭弥。
後でまとめてかかってこられると厄介なため、少しでも相手の人数を減らしたほうが良いと判断した。
問題は、音を出さずに処理することだ。
2人の背中に回った恭弥は、車から持ち出してきたドライバーを手に持ち、隙を伺った。
道路を走る車の音が聞こえた瞬間、飛び出して1人の首に手を回した。
すかさずドライバーを投げつけ、もう1人の男の首に命中!
腕の中の男は、腕力で締め付ける。
「家族に手ぇ出してんじゃねえ」と言ったあと、ゴキッ!
ジタバタしていた男の足が、だらりと力を失った。
すぐに恭弥は、地面でのたうちまわる男に駆け寄り、ゴキゴキッ!
始末した2人をビニールハウスに運んで、そこにあったズタ袋を被せた。
2人の体をまさぐると、ナイフが見つかったため、それを手にとって先に進む。
ビニールハウスからビニールハウスへ、すばやく移動する恭弥。
1つだけ黒い布に覆われたハウスを見つけ、しかもその脇には黒いワゴンが見つかり、そこが怪しいと目星をつけた。
車に乗っている人数は不明だが、10人はいるだろう。
ハウスの隙間から覗くと、敵は全部で6人。
車に10人いるなら、16人は倒さねばならない。
一方の恭弥は、人質2人を守らねばならない。
勝てる見込みは薄いと考え、京極か神代を待つべきか、と考えた。
しかし、待っていたらダエルに危険が及んでしまう。
決意した恭弥は、武器を手に持ってハウスの中に飛び込んだ。
相手は恭弥の事を知っていて、一人が「西じゃねえか」と言ってきた。
恭弥は、人質になっているダエルの家族(妻と娘)に、須賀先生から頼まれて助けに来た事を伝える。
相手のボスの「やっちまえ」の号令とともに、部下たちが一斉に襲いかかって来た。
まずは1人のナイフをかわし、腕を捻ってそのナイフをかっさらう。
両手に持ったナイフで、相手を牽制した。
1人がナイフを繰り出してきたが、かわしてカウンターを仕掛ける。
相手の顔を切り裂いたが、避けられたために傷は浅かった。
さらに2人が同時にかかってきた。
恭弥はステップしてかわしたが、少なくともプロが3人混じっている事は判明した。
残りも格闘の素人ではない。
相手は再び、複数で恭弥に攻撃を仕掛けてきた。
人質を背中に戦う恭弥が、2人相手に集中していると、1人が恭弥の左側を抜けて人質を襲った。
「きゃあ」という悲鳴を聞いた恭弥は、さっと身を挺して人質を守る。
右肩に負傷を負ったが、すぐに反撃して相手の首をズバッ!
肩の負傷がひどいと判断し、短期決戦にしようと2つの武器を相手に向かって投じた。
これが2人の額にヒットし、残るは3人。
と思った矢先、入口から3人がやって来て、また6人に増えてしまった。
しかし、どこか様子がおかしい。
何か相談し始め、恭弥の事も一瞬忘れた様子。
「待機して下さいと伝えましたよね」
と言いながら入ってきたのは、京極だった。
引用:ピッコマ

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