第41話

恭弥を見つけたフランス人男性は、お供の男性を2人従えて歩み出した。

その前に恭弥の前に現れたのが、スミセンだった。

通訳の女性『アリス』に車椅子を押してもらっている。

スーツに身を包むスミセンは、体の怪我はわからないが、左目にガーゼを当てていた。

「キョウヤ」と気軽に呼びかけてきたスミセンに、ちょっとご立腹の恭弥。

すっかりアリスと親しげにしているスミセンを見て、さすが女好き、と恭弥は言う。

スミセンはそれを、褒め言葉として受け止めた。

そのあと恭弥の父に、フランス語で挨拶するスミセン。

それをアリスが通訳し、父の挨拶もアリスが間に入った。

父がスミセンに、「怪我をされたそうで、お大事に」と伝えると、スミセンは笑って、

「怪我の原因を知ったら、社長はきっと•••」

恭弥がすぐに「スミセン」と声を張り上げたため、スミセンは「冗談冗談」と苦笑いを見せた。

スミセンは恭弥の母に目を止め、何か声をかけようとしたが、「余計なこと言ったりしてみろ」と恭弥に睨まれ、

無難な挨拶にとどめるのだった。

母には恭弥が通訳し、「会えて光栄と言ってます」と伝えた。

母からも笑顔で、こちらこそ、と返事した。

そこへ、例のフランス人男性が近づいてきて、話の仲間に入れてほしいと言う。

スミセンが「大使」と言ったことで、相手が大物であることを恭弥は知った。

大使のほうから恭弥に握手を求めてきたため、恭弥はそれに快く応じた。

心の中では、大使が俺に何のようだ? と訝しんでいたが。

母にその人物が誰なのか聞かれ、「フランス大使のラノックさんです」と伝える恭弥。

そんな偉い人物が息子に握手を? と驚く母。

恭弥は謙遜するが、母の驚きは止まらない。

大使は恭弥に、場所を移して話したいと言ってきた。

その表情には、どこか含みのありそうな影が宿っていた。

席を設けて会話する恭弥とラノック。

ラノックはまず恭弥のフランス語を褒め、どこで学んだか聞いてきた。

最初は答えをかわそうとした恭弥だが、すぐに「ネットで学びました」と答えた。

ラノックは、シャフランのことで君と話したくてね、と言う。

ゴント社は、フランスを代表する自動車メーカーである。

そんな大企業が麻薬の密売に関わっていたとなれば、フランスとしては大打撃を被ってしまう。

それを阻止した恭弥に、大使として礼を述べるのだった。

別にフランスのためにした事じゃありません、と恭弥。

大使はさらに、シャフランに関する情報はすべて処理したが、今後も変な噂が立たないようにと、恭弥に協力を依頼してきた。

ようするに、口外するな、という意味だ。

恭弥から、シャフランをどのように処理したかを尋ねると、不慮の事故、と大使は答えた。

そして大使は、恭弥の待遇についても口にした。

恭弥がフランス国籍を取得するなら、無条件で認めること。

スイスバンクの送金の件では、すでに本国で処理済みであること。

ゴント社から株式を贈与する予定であること。

「金には一生困らないはずだ」とラノックは言う。

以上がフランス国が用意した謝礼だが、それに加えてラノック個人からもプレゼントがあるという。

困ったことがあったらいつでも連絡をよこしなさい、と名刺を差し出すラノック。

恭弥は即座に、「それならフランス傭兵の交戦記録を見せてもらえますか?」と頼んだ。

しかしこれには大使も目の色を変えて、シャフランに関することなら伏せておくのが賢明だ、と言ってきた。

恭弥は諦め、席を立って家族の元に戻ろうとした。

その背中に、大使は声をかけてくる。

シャフランに関して変な噂が立たないよう、念のために恭弥に釘を指してきたのだ。

暗に、「口外したら君の命はない」と含ませることで。

恭弥は目つきを鋭くして、「ここは日本ですよ」と言い返した。

大使は笑顔になり、「蛇足だったね」と自分の非を認めた。

新車発表会に戻った恭弥。

大使とどんな話をしたのか母に聞かれ、「留学希望なら推薦書を用意してくれるそうです」と答えた。

驚く母に、「たぶん口だけですよ」とも。

恭弥のほうからスミセンはどこか尋ねると、壇上で演説をしているところだった。

なかなかサマになっている。

スミセンの紹介とともに新車がライトアップされ、一斉にカメラのフラッシュが焚かれる。

ふと恭弥の目に、カメラマンより前に陣取るミシェルの姿が映った。

引用:ピッコマ

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