帰宅した恭弥は、母の財団が無事に設立されたことを知った。
その後、自室にこもり、パソコンで清水グループ会長『周防裕三』についてリサーチを始める。
税金や相続については問題なし。
愛人が6人いるという情報を見つけ、その点について違和感を覚えた。
6人にそれぞれマンションを買い与え、生活費の面倒も見ているようだ。
なのに、2ヶ月に1度くらいしか会ってないらしい。
金持ちの道楽にしては、裏がありそうだ。
街中にある、ちょっとした風情のある門構えの脇に、2人の外国人が立っていた。
そこに現れた恭弥を見て、2人の外国人は何も言わずに門を開けた。
中に入った恭弥は、ラノックとアンヌが待つ部屋へ。
テーブルの上には、すでに料理も揃っていた。
まずは食べながら、談笑のひとときを過ごす。
アンヌがゴルフの素振りを見せたり、グラスに注いだ飲み物で乾杯し合ったり。
いつしかアンヌが、先に退室を申し出た。
アフリカからの来賓が来てるため、接待するそうだ。
アンヌが褒められたがっていると見た恭弥は、「すごいじゃないか」と親指を立てて見せた。
部屋を出る前、アンヌは恭弥の頬にキスし、護衛とともに去っていった。
アンヌがさり、恭弥とラノックは本題に入る。
ラノックは、フランスの情報局を使って、すでに調査を済ませていた。
例の、日本の自衛隊が派遣されるというモンゴルの地域について。
「スフバートルとセレンガ川付近の山中だ」
ラノックは恭弥に、危険すぎるため手を引くように、と希望を伝えてきた。
しかし、恭弥の意思は堅い。
「今回の作戦が成功すれば、反ユニコーン勢力はしばらく手を出してこないでしょう」
ここで叩けば、オレの大事な人たちが狙われる心配も減る、と。
ラノックのほうも、説得を続けてきた。
「日本の特殊部隊に退路がないのなら、フランスも動いて脱出を手助けしよう」
それでも恭弥は、自分の意見を押し通す。
相手に警告を与えるためだけに、犠牲を出すのは見ていられない、と。
「君の使命は、モンゴルで戦うことではなく、ユニコーンを成功させることだ」
さらにラノックは、各国の情報局が、恭弥をどんな人物だと判断しているかについても話してくれた。
「日本とフランスが協力して作り上げた諜報員」
恭弥がモンゴルに出向き、何か証拠を残したりすると、日本はもちろん、ヨーロッパ全体が責任を問われてしまう。
「下手すると、世界大戦になりかねないんだ」
ラノックは厳しい表情で、まっすぐ恭弥を見据えていた。
水面下で脱出を手伝いはするが、それ以上はできない、というのがラノックの答えだ。
返答をもらった恭弥は、部屋を立とうとした。
するとラノックは、「明後日にまた話そう」と言ってきた。
道を歩きながら、恭弥はラノックの言葉を思い返していた。
全部、ラノックの言う通りだ
そんな恭弥の後方から、何者かが後をつけていた。

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