第154話

帰宅した恭弥は、母の財団が無事に設立されたことを知った。

その後、自室にこもり、パソコンで清水グループ会長『周防裕三』についてリサーチを始める。

税金や相続については問題なし。

愛人が6人いるという情報を見つけ、その点について違和感を覚えた。

6人にそれぞれマンションを買い与え、生活費の面倒も見ているようだ。

なのに、2ヶ月に1度くらいしか会ってないらしい。

金持ちの道楽にしては、裏がありそうだ。

街中にある、ちょっとした風情のある門構えの脇に、2人の外国人が立っていた。

そこに現れた恭弥を見て、2人の外国人は何も言わずに門を開けた。

中に入った恭弥は、ラノックとアンヌが待つ部屋へ。

テーブルの上には、すでに料理も揃っていた。

まずは食べながら、談笑のひとときを過ごす。

アンヌがゴルフの素振りを見せたり、グラスに注いだ飲み物で乾杯し合ったり。

いつしかアンヌが、先に退室を申し出た。

アフリカからの来賓が来てるため、接待するそうだ。

アンヌが褒められたがっていると見た恭弥は、「すごいじゃないか」と親指を立てて見せた。

部屋を出る前、アンヌは恭弥の頬にキスし、護衛とともに去っていった。

アンヌがさり、恭弥とラノックは本題に入る。

ラノックは、フランスの情報局を使って、すでに調査を済ませていた。

例の、日本の自衛隊が派遣されるというモンゴルの地域について。

「スフバートルとセレンガ川付近の山中だ」

ラノックは恭弥に、危険すぎるため手を引くように、と希望を伝えてきた。

しかし、恭弥の意思は堅い。

「今回の作戦が成功すれば、反ユニコーン勢力はしばらく手を出してこないでしょう」

ここで叩けば、オレの大事な人たちが狙われる心配も減る、と。

ラノックのほうも、説得を続けてきた。

「日本の特殊部隊に退路がないのなら、フランスも動いて脱出を手助けしよう」

それでも恭弥は、自分の意見を押し通す。

相手に警告を与えるためだけに、犠牲を出すのは見ていられない、と。

「君の使命は、モンゴルで戦うことではなく、ユニコーンを成功させることだ」

さらにラノックは、各国の情報局が、恭弥をどんな人物だと判断しているかについても話してくれた。

「日本とフランスが協力して作り上げた諜報員」

恭弥がモンゴルに出向き、何か証拠を残したりすると、日本はもちろん、ヨーロッパ全体が責任を問われてしまう。

「下手すると、世界大戦になりかねないんだ」

ラノックは厳しい表情で、まっすぐ恭弥を見据えていた。

水面下で脱出を手伝いはするが、それ以上はできない、というのがラノックの答えだ。

返答をもらった恭弥は、部屋を立とうとした。

するとラノックは、「明後日にまた話そう」と言ってきた。

道を歩きながら、恭弥はラノックの言葉を思い返していた。

全部、ラノックの言う通りだ

そんな恭弥の後方から、何者かが後をつけていた。

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