第5話

鬼塚を除く5人の不良に囲まれた恭弥。

それでも余裕は失わず、フッと息をついた。

面倒だからまとめてかかってこい、と言うと、さっそく1人がキレて、恭弥の右斜め後ろから突進し、拳を繰り出してきた。

さっと身を翻した恭弥は、勢いをつけて左の拳を相手の顔面に見舞う。

相手は鼻血を出しつつ、後頭部から地面に落ちた。

周りで見ている不良たちの間に、ちょっとした違和感が走る。

恭弥は涼しい顔で、プロとしての教えを施す。

「分かってねえようだから、特別に教えてやる。4人同時に同じ場所を狙うんじゃねえ」

残った4人それぞれに、オマエは下段、オマエは体、オマエは頭、と狙うべき箇所を教えた。

いろんな角度からかかってこい、と。

命令口調に腹が立っている不良たちは、まとめてかかってきた。

しかし恭弥は、まずは左からの攻撃をかわし、次に右からの攻撃もかわし、背後から襲ってきた男に右ストレートを見舞った。

さらに襲ってくる2人にも、右フック、左ストレートを、それぞれボディと顔面に見舞った。

よろけた相手のボディに、とどめの一撃。

背後で鼻血を出してた坊主頭が起き上がり、左手で恭弥の後ろ髪を掴んだ。

捕まえてしまえば拳をヒットさせられる、と考えたらしい。

しかし恭弥は、さっと身をのけぞらせて相手の右拳をかわした。

自分の打撃を受けても起き上がってきた相手を見て、この肉体がどれほど弱いかを悟る恭弥。

背負い投げでその相手をねじ伏せると、残り2人になった相手に詰め寄る。

鬼塚と茶髪だ。

鬼塚は恭弥の強さに慄いていたが、茶髪は歯を食いしばって怒りをあらわにしていた。

懐からナイフを取り出し、恭弥に向けて構える茶髪。

恭弥は余裕を崩さず、命をかける覚悟はあるんだろうな、と口にした。

茶髪はナイフを振りかざしてきたが、恭弥はすべてかわし、さっと相手の右手を掴んで腕をへし折った。

残った鬼塚に詰め寄る恭弥。

足元に落ちていた茶髪のナイフを拾い、「朝のうちのオマエ(鬼塚)に手加減した俺が悪いんだ」と呟いた。

そして鋭い目つきで、今度は容赦しねえ、と睨む。

鬼塚は逃げ腰になり、「もう二度とお前に手は出さねえ」と後ずさる。

しかし恭弥は、「オレに勝つ自信があるならいつでも来い」と詰め寄った。

と、背後に気配を感じて振り返ると、体育教師が歩み寄ってきていた。

気配も感じずにここまで接近されたことに、驚く恭弥。

どうやらただの平凡な教師ではないらしい。

体育教師は事態を把握しているようで、正当防衛の範囲を超えている、と言ってきた。

「退学になるかもしれん」と言われた恭弥は、「学校はやめます」と答える。

でも体育教師は、「学生が何言ってんだ? この場は俺がなんとかする」と言ってくれた。

「教育委員会が何か言ってきたら、こいつらからいじめを受けてた証拠を持ってこい」とも。

(格闘を)どこで学んだかと聞いてきた教師に、恭弥は「ネットです」と答えた。

「筋がいいな」と、センスを認める体育教師。

街に出た恭弥は理髪店に向かい、軍隊にいたころの尖ったヘアスタイルに変えた。

その後定食屋に入って、とんかつを注文して昔を思い出す。

東京からパリに向かうチケットを見ながら、とんかつを食べた日のことを。

ふと、ポケットのスマホが鳴り、母からの電話に出る。

すでに学校から連絡がいっていたようだ。

今すぐ恭弥の元に行くという母に対し、「家に帰ってから説明します」と伝えるのだった。

引用:ピッコマ

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