第85話

京極の車に向かって、ライフルをぶっ放してくる首斬り屋たち。

拳銃しか持ち合わせていない京極とダエルは、身を隠すことしかできない。

いっぽうの恭弥は、森に潜んでチャンスをうかがっていた。

連中の車を挟み撃ちにした岩田たちも、車の影に隠れるばかり。

ガス銃と警棒しかないため、反撃できないのだ。

岩田は2人の部下に、森に隠れろと命じた。

「岩田さんはどうするんです?」と部下。

「退路を塞ぐ」

退路はすでに塞いであるが、もっと完全にやってやろうとの魂胆だ。

部下が隠れると、岩田は運転席に乗り込み、アクセルを踏んだ。

急発進した車が、連中の車に激突!

岩田はなおもアクセルを踏み続ける。

連中も黙っちゃいない。

岩田の車の側面を派手に銃撃してきた。

窓ガラスが割れ、岩田は体に3発も被弾した。

それでもなお、岩田はアクセルを踏み続ける。

「俺だって、やるときゃやるんだ!」

そして岩田の車は、連中の車(ワゴン)を横倒しにした。

これでもう、連中は車を使えない。

しかし岩田もまた、左半身から大量の血を流している。

息を切らしながら、岩田はつぶやく。

「社長、役目は果たしました」

車を転がされた首斬り屋たち。

ちょっと焦る手下たちに対し、首斬り屋は叫ぶ。

「皆殺しにして、奴らの車に乗ればいいだけだ」

その言葉を受けて、手下たちは京極の車に対し、さらに激しく銃撃するのだった。

車の影に隠れ、呼吸を整えるダエル。

その表情は冷静そのもので、焦りの色はない。

一瞬の隙を見て拳銃を構え、連中に向けて一発放った。

弾丸が、手下の太腿を貫通。

1人クリアだ。

再び隠れたダエルを見て、京極は不思議に思っていた。

警察や自衛隊でもない限り、銃に触れる機会なんてないはず。

しかし、教師であるダエルは、問題なく使いこなしている。

京極はダエルに、銃を使ったことがあるのかと尋ねた。

「命中させたの、見てなかったんすか?」とダエル。

また連中の銃撃が襲ってきて、2人は身を潜めた。

森に入った恭弥は、移動しながら考えていた。

連中はまだ、オレが森に入ったことに気付いていない。

しかし発砲すれば、すぐにバレてしまう。

最初の襲撃で、なるべく多く倒さないと!

銃は久しぶりだが、感覚はそのまま残っている。

恭弥の放った一発は、連中の1人を的確に仕留めた。

二発目もまた、別の手下を仕留めた。

森の中に誰かいると気付いた首斬り屋は、2人の手下に命じて森に向かわせた。

「ここは俺だけで充分だ」と。

これで、車の近くに残ったのは首斬り屋だけとなった。

恭弥は木の陰に隠れ、接近してくる2人のライフルから、身を守る。

まずは距離をとるため、森の中へと駆け込んだ。

いっぽうの京極は、2人の敵が森に入ったのを見ていた。

ダエルは言う。

「大丈夫っす。(恭弥は)そうカンタンにやられる人じゃないっすから」

そしてダエルは、残ったのが首斬り屋だけとなった今がチャンスと、京極に発破をかけた。

「援護します。首斬り屋を仕留めてください」

「恩にきます」

そして京極が飛び出し、ダエルが援護射撃するのだった。

森に潜んだ恭弥は、まず1人の敵を視認した。

さっそく仕留めようとしたが、冷静になって考えた。

ここで1人は仕留めても、すぐにもう1人に気づかれ、狙い撃ちにされてしまう。

まずは2人の位置を把握するのが先決だ。

そうしている間に、1人がすぐ近くまで迫ってきた。

周囲に警戒する相手が恭弥に背中を向けた瞬間、恭弥の投げたナイフがクリーンヒット!

音もなく、まずは1人を仕留めた。

気を緩めることなく、もう1人の相手に集中する。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました