第145話

薄暗い部屋の中、ベッドに横になっていた恭弥のスマホが振動した。

ミシェルからのメールだ。

電話にしなかったのは、話せない状況かもしれないと思って、とのこと。

例の動画について、心配するメッセージだった。

恭弥は、軽い文章を添えて「大丈夫だ」と返信した。

朝。

母は、父を病院に連れて行くと言う。

恭弥も付き添い、仁道病院へ。

氷室院長の診断を受け、父は過労で入院することが決まった。

後から症状が出ないとも限らないため、念のため、という感じだ。

「息子さん、外で話せますか?」と氷室院長。

ということで、廊下にて、氷室と話す恭弥。

氷室もすでに、例の動画を見ていたようで、その点を心配してくれた。

「あなたの無事を知っても、心臓が止まる思いでした。私ですらそうなのに、現場にいたお父様は、どれほど衝撃を受けたことか…」

氷室いわく、恭弥のバトルを見た父は、それがトラウマになっているかもしれない、とのこと。

さらに氷室は、恭弥に採血のお願いをしてきた。

重症患者に、恭弥の血を輸血してみたいという。

恭弥の尋常じゃない回復力が血液を通して伝われば、より多くの患者を救えるかもしれない、と。

恭弥はジト目になり、物申す。

「死んだら臓器で、今度は血液ですか」

「その程度は頼んでもいい関係かと?」

「おっしゃる通りですよ」
ダエルに連絡し、心配いらない、と伝えた恭弥。

その後、父が入院する部屋に戻ると、いきなりドラマのキャストたちがお見舞いにやってきた。

愛子を筆頭に、みんなが父の回復を願って会釈する。

ミシェルの姿もあった。

愛子はにこやかに語る。

「代表(恭弥)のおかげでドラマに出演できました。なので、お父様のお仕事で広告が必要なときは、私たちを使ってください。無料で出演します」

愛子たちが去っても、ミシェルだけは残り、片言の日本語で父の回復を願ってくれた。

わざとらしい言葉使いに、ジト目を送る恭弥。

ミシェルはケーキを差し出し、みんなで食べる。

すると今度は、父の会社の役員たちが参上した。

なぜかミシェルが対応したため、その様子を奇異な目で見る恭弥。

役員たちが帰って、ほっとひと息つけると思ったのも束の間。

今度は運動部の面々がやってきた。

ダエル(須賀先生)から連絡を受けて駆けつけたそうだ。

恭弥はもはや、額に青筋を立てて、ちょっとどんよりし始めていた。

運動部員たちが帰ると(ミシェルはまだいる)、今度は黒川が姿を見せた。

もう一人の来客を連れてきたらしい。

黒川の後ろから姿を見せた人物を見て、父も母も驚く。

「官房長官?」

原田が見舞いに来たのだった。

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