校庭で一休みする面々。
その間、恭弥は生徒に命じ、運動部の部室から青いマットを持って来させた。
合計8枚のマットが並べられ、簡易的な青空道場みたいなものができあがった。
「それじゃ、本格的にいきましょうか」と恭弥。
ランニングはあくまでも準備体操だったと言う。
「先生、お願いします」と恭弥に言われたダエル。
ダエルが出て、こんな発言をした。
「軽く2人くらい相手しよう」
舐めた発言を聞いて、5人の男たちは内心メラメラ。
2人がダエルと退治して、煮えたぎった怒りを表情に浮かべる。
ダエルに対峙する2人を見て、恭弥が割って入った。
「なんだその顔は?」
ため口を聞かれ、さらに怒りを募らせる2人。
「やりたくねえならやらなくていいんだぞ」
恭弥の態度を受け、2人は怒りを言葉に込めた。
「ガキが、調子に乗りやがって。礼儀がなってねえな」
恭弥は怯まない。
自分が教官であること、社長に頼まれてること。
それらを引き合いに出しながら、宣言する。
「オマエらの気分を気遣いながら訓練するつもりなどない」
2人はさらに怒りを募らせた。
恭弥は気にせず、提案する。
「タイマン張って、オマエらがオレに指一本でも触れることができたら、敬語を使って訓練も終わりにしてやる」
男たちが京極社長に目を向けると、軽い感じでOKの合図が出た。
ということで、男たちも遠慮なくかかってくる気になった。
「いっとくが、俺は県大会で2位の空手選手だ」
そう言いながら、構える男。
恭弥は軽く、指で挑発する。
男は先手で蹴りを放ってきたが、恭弥は軽く避けた。
スピードはそこそこだが、まだまだスポーツの域を出ない蹴りだった。
まずは相手の足を狙って体勢を崩させ、胴体に連打。
顎に下から掌を打ちつけ、最後は前蹴りで場外へ。
腹を痛めて、もだえる男。
「殺らなきゃ殺られる。それが戦場だ。オレが教えるのは、そこで生き残る戦闘術だ。ルールで守られたスポーツとは違う」
「戦場に出たこともないガキが」と、もう1人の男。
恭弥は、どうせ信じないからと、自分の説明はしなかった。
そして残り4人を、まとめて相手すると宣言した。
休んでいた3人は、社長に目を向ける。
「殺さない程度にな」と京極。
すると、意気揚々と3人が出てきた。
京極にしてみれば、恭弥に言ったのだが、3人は勘違いしたらしい。
マットの上で、4人に囲まれた恭弥。
左後ろの男がかかってきたが、軽く一撃を顎にヒットさせ、さらに胴体に膝蹴りを見舞った。
また後ろから別の1人が向かってきたが、右足の蹴りで対応。
その反動で、目の前にいる男にもう一発膝蹴りを見舞う。
後ろにいる男には、右手の裏拳をヒットさせた。
3人目の男が繰り出してきた左の拳を、冷静な動体視力で見極め、無駄なく回避。
右の拳で蓮撃を放ち、3人目も軽くノックアウトした。
残った1人は、ビビって社長に目を向けた。
恭弥は言う。
「今オレに向かってこれないなら、オマエは一生敵と戦えない。やられるのが怖いなら、こんな仕事はさっさと辞めろ」
発破を掛けられた男は、なんとか気力を振り絞って右手を繰り出してきた。
恭弥はそれを軽くあしらい、その右腕を自分の肩に掛けて、ボキッ!
恭弥はその男を見下ろし、厳しい言葉を浴びせる。
「戦ってやられる仲間の姿を、オマエはただ見ていた。実践で、オマエなんかに背中を任せたらどうなる?」
京極が出てきて、食事にすることになった。
すでに、救急車の手配までしてくれたそうだ。
1人は救急車で運ばれ、その後出前が届いた。
京極のおごりだ。
恭弥とダエルと京極、4人の男たち、4人の生徒の3グループに分かれての食事だ。
京極に、部下のことを聞かれた恭弥。
「使えそうなのは2人ですかね」
その言葉を耳にして、ちょっとどんよりする4人の男たち。
使える人間が半分と聞かされれば、これまで以上に訓練に励むことを、ダエルは理解していた。
ふと、恭弥のスマホがなった。
ミシェルからの連絡で、ドラマ制作を公式発表したとのこと。
でもいろいろ問題があるようで、記者たちから「このドラマ制作はデタラメ」と言われたそうだ。
さらに今、薫が何か騒いでいるらしい。

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