第24話

ロビーのソファに座ったまま、目の前に立った3人のフランス人美女と話す恭弥。

女性陣は、黒いスーツに身を包んだ恭弥のコーデを褒めてきた。

少し離れたところにダエルが現れ、恭弥は目配せする。

近くで待機するよう、アイコンタクトを送って指示を出した。

目を逸らした恭弥に、ミシェルはちょっと不満を漏らすが、すぐに機嫌をなおして「今日は何するの?」と聞いてきた。

「とりあえず移動しよう」と言った恭弥は、歩きながらダエルにもう一度合図を送った。

円形テーブルについた恭弥と、3人のフランス人美女。

注文する前に料理が運ばれてきたため、ウェイターに尋ねた。

ウェイターが言うには、全額無料でサービスするように指示されている、とのこと。

全員にフルコースを用意してくれるそうだ。

それを聞いて喜ぶ女性陣。

さっそくミシェルが、ワインリストを頼んだ。

そして、「恭弥って大物なの?」と質問してきた。

「知り合いがいるだけさ」と恭弥。

心の中では、暴力団め、余計なことを、と思っていた。

3人の女性はワイン、恭弥はコーラで乾杯した。

お酒を飲まないの、とミシェルに聞かれて、高校生だからな、と答える恭弥。

「意外に真面目なのね」とミシェル。

女性たちが言うには、そのワインはフランスでもなかなか飲めないほど美味しいらしい。

談笑しながら、食事が進んでゆく。

女性たちは3人とも25歳で、全員ハーフだそうだ。

雑誌編集者のミシェル、証券会社に務めるセシル、フリーランスのシンディー。

恭弥は胸の内で、世間話をしている今の状況に焦りを感じていた。

と、そこへ電話が鳴り、ダエルからと思ったが、スマホを見ると神代光輝からだった。

ちょっとイラッとしつつ電話に出ると、ネクサスホテルにいるそうだな、と言ってきた。

恭弥が素っ気ない返事をすると、ただ仲良くなりたいだけさ、と光輝は言う。

「必要なものがあるなら五十嵐に言え」とも言われたが、恭弥はここで電話を切った。

そんな様子を見ていたミシェルは、何か他の用があるんじゃないの、と聞いてきた。

少しは話しておくべきか、と判断し、恭弥はスミセンと合流することを打ち明ける。

自分たちが呼ばれたのはそのためなの、とミシェルに聞かれ、恭弥は否定しない。

勘の鋭いミシェルは、家族の一大事なの?、と聞いてきた。

それもあるが、と恭弥は言葉を濁す。

そして、とにかく君らには申し訳ないことをした、とも。

打ち明けてくれたことに心を打たれたのか、「今回だけは許すわ」とミシェルは言ってくれた。

すぐにセシルも、「5人も楽しそうね」とミシェルに賛同した。

恭弥は礼をいい、またしばらく食事の時間が続いた。

ようやくダエルからメールがきて、スミセンが現れたことを知らせてきた。

「セルパン ブニムー」という言葉を添えて。

毒蛇、という意味だ。

それを見てすぐに、フランスのギャングがいると判断する恭弥。

ロビーにいるダエルは、スミセンと共にいる3人の男たちの左手に、赤い蛇の刺青が入っているのを確認済みだった。

3名は確実にギャングだ。

もしかしたら、他にもいる可能性がある、とダエルはメールで送ってきた。

ダエルは以前、パリでそのギャングと戦ったことがあり、見間違えるはずはない。

「セルパン ブニムー」がいることを疑問に思う恭弥は、シャフランとスミセンの護衛なのかと勘ぐった。

撤収を提案してくるダエルに、恭弥はいったん考え込んだが、明日になればギャングがいなくなる保証などない。

それに、明日になればスミセンのほかに、シャフランまで相手にすることになるかもしれない。

計画通り実行するとダエルにメールを送ると、ダエルはOKした。

ダエルのメールでは、スミセンたちはクラブへ向かったというが、恭弥はまだ考えがまとまらずにいた。

引用:ピッコマ

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