恭弥は病室で、京極と話していた。
情報局から得た情報として、光明有限会社のことについて口にする京極。
「とにかく今は、劉珉邦のスケジュールを把握せねばならん」
「俺は何をすればいいんですか?」と恭弥は尋ねた。
「まずは治療に専念だな」
そこへ、氷室医師がやってきた。
「回復が遅れています」と第一声を放つ氷室。
恭弥の肩の傷を治療しながら、これまでのような驚異的な回復力が影を潜めていることについて言及してきた。
人間らしい回復力になっているそうだ。
「傷がひどいため、回復が遅れているのかもしれません。とにかく最低でも2〜3日は入院してください。これは命令です」
恭弥が空腹であることを伝えると、氷室はこう言った。
「それは臓器が正常に働き始めた証拠です」
ということで、まずは負担の少ないお粥を用意してくれることになった。
お粥を食べながら、シャフランのことを考える恭弥。
首斬り屋との関係は?
ラノックと京極に、互いの存在を知らせたほうがいいだろうか?
考えれば考えるほど、暗中模索していくようだった。
複雑なことほど単純に考えよう、と決心し、シャフランを始末することをまずは念頭においた。
ミシェルとの買収の件についても考えを巡らせ、進めることに決める。
そこへ神代がやってきて、ソファに腰掛けてニヤニヤし始めた。
食べる恭弥を見ながらタバコを吸う神代。
恭弥は「窓を開けろ」と忠告し、神代は「めんどくせえな」と言いながらも窓を開けた。
「問題なく片付いたのか?」と、恭弥から尋ねる。
「俺を誰だと思ってやがる?」と神代。「山本組はもう終わりだ」
「いろいろ苦労かけたな」
神代は「アフターサービスだ」と言って、部屋を出て行った。
直後、今度はダエルがやってきた。
神代ともすれ違ったらしく、「ニヤニヤしてましたよ」と報告してきた。
ダエルは、普通の教師でありながら拉致されたことについて、家族には適当な理由をつけてごまかしたと言う。
その過程で、ダエルの娘が恭弥に惚れてるって話も飛び出した。
「うちの娘はあげませんよ!」ときっぱり宣言するダエル。
「てめえの義理の息子になんかなりたかねえよ」と恭弥。
そして恭弥は、京極と話した内容をダエルに伝えた。
京極の会社で教官として働くのも悪くない、とダエルに転職を促したのだ。
恭弥の意見を聞いたダエルは、教師を辞めるつもりはない、という態度を示した。
その理由は、「会社勤めだと、長期休暇がないっすからね」
「そんな理由で、大手企業の役員になれるチャンスを棒に振るのかよ?」
「金ならたんまりありますからね」とダエルは微笑んだ。
長期休暇があれば体も鍛えられる、というのがダエルの言い分だった。
火曜日になって退院した恭弥を見て、京極は驚きの表情を浮かべていた。
恭弥の回復力が、あまりにも凄まじいためだ。
氷室医師は、驚く京極を見て、
「いつも瀕死の状態で来るんですが、すぐに退院します。もう見慣れて驚くこともありません」
と自分の意見を伝えた。
車に乗り込んだ恭弥は、スマホに連絡が入ったのに気づいて確認した。
0がたくさんついた金が振り込まれている!
そこへ電話がなり、出るとラノックからだった。

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