父いわく、スミセンが家に引きこもっているらしい。
恭弥は、前にスミセンから名刺をもらったからと、自分が車の注文に関して話しておくと父に伝えた。
家を出た恭弥は、街を歩きながらスマホで連絡を入れた。
鏡の前で義眼を入れていたスミセンは、引きこもっていても無駄に明るい調子で会話に応じてくる。
車の契約に関することを伝えた恭弥は、人の多い場所なら出ても大丈夫だと続けた。
シャフランに襲われる可能性を考えても、2週間ほどですべてが終わる、と。
スミセンは、2つ確認したいことがある、と厳しい表情になって言ってきた。
「クラブは人が多い、行っていいか?」
拍子抜けした恭弥は、怒りを交えて「2週間後に行け」と忠告する。
さらにスミセンは、「日本語学校に通ってもいいか?」と言ってきた。
「それも2週間後だ!」と怒鳴りつける恭弥。
どうやらスミセンは、今世話になっている日本語教師のアリスには飽きたらしい。
ミシェルからの連絡で、ネクサスホテルに向かう恭弥。
芸能事務所買収の件だ。
因縁のある場所だけに、不吉さを感じるが、とりあえず向かった。
スタッフに案内された部屋に入ると、すでにメンツは揃っていた。
ミシェルがいきなり駆け寄ってきて、キスしようとしてきた。
でも恭弥は、「やめろよ」と言って引き離す。
「ちょっとくらいいいじゃない」とミシェル。
ミシェルは恭弥を、すでに席についている者たちに紹介した。
竜崎社長は、額に傷のある男で、どうやら暴力団出身のようだ。
秋山副社長も、やはり強面だった。
契約の担当役は、メガネをかけた鈴木弁護士。
3人の若い女性も座っていて、如月薫と若槻麗香、それに前にあった愛子もいた。
事務所所属の女優だ。
席について書類に目を通した恭弥は、あまり細かい点まで確認せずに契約に進もうとした。
ミシェルを信頼して、ちゃんとした内容だと判断したのだ。
しかし、そんな恭弥の態度を見て、竜崎社長は怒鳴ってきた。
「大した坊ちゃんだな」
一瞬反発しかけた恭弥だが、面倒ごとを増やすのはよくないと思って、素直に契約書を読むことにした。
印鑑はないからと、さらさらとサインだけする恭弥。
秋山副社長も、「金持ちはいいよな」と突っかかってくる。
恭弥はミシェルに、他の連中がフランス語ができないことを確認してから、フランス語で会話を持ちかける。
「不満があるらしいな。無理に買収しなくてもいいんだが」
「多分、惜しいのよ。ドラマの制作が中止になって売却することにしたみたいなの」
連中は買収じゃなく、投資を望んでいるらしい。
竜崎社長は、今いる社員はクビにしないよう頼んできた。
でもそれは、契約の内容にはない、とミシェル。
あまりにも不遜な態度を貫いてくる社長に対し、恭弥は契約書をその場で破いて見せた。
「金があると思って、調子に乗りやがって」と怒鳴る社長。
恭弥はミシェルの手を掴み、さっさと帰ろうとした。
帰らせまいと秋山副社長が扉の前に先回りしてきたが、恭弥の一撃であっさり撃沈。
「帰らせねえんじゃなかったのか?」と恭弥は不適に微笑んだ。

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