第63話

部屋でシャフラン と電話中の恭弥は、「女を殺す」というシャフランの脅しに怒りを感じていた。

しかしシャフランのほうも、恭弥にやられた傷が痛むのか、呻き声を上げて電話を切った。

ドアがノックされ、母が入ってきた。

恭弥が声を荒げているものだから、心配になって様子を見にきたのだ。

「フランス人の友達と電話してたんですが、電波が悪くて声が聞こえなくて」

なんとかごまかし、母が去ると、恭弥の笑顔はすぐに怒りの表情へと変わった。

シャフランのクソ野郎め、今度はズタズタにしてやる!

運動部員たちの前で、武術の型のような動きをしているダエル(須賀先生)。

生徒たちには、「殺人術…じゃなくて護身術だ」と伝えた。

なんとなく動きに華やかさがないため、部員たちは「カッコ悪い」と感想を言ってきた。

ダエルは説明する。

「映画の動きは、いかにカッコよく見せるかが大事だ。先生のは身を守るのが目的だからな」

すると、メガネの生徒『門倉浩史』が、「僕にも教えてください」と頼んできた。

「またいじめられてるのか?」とダエルが尋ねると、

「そうじゃないですけど、護身術があれば役に立つと思って」と門倉。

そんなわけで、護身術の動きを教えることになったダエル。

道で喧嘩を売られた場合の対処法だ。

門倉と向き合ったダエルは、まずは門倉に一度攻撃させてみた。

ダエルは門倉の拳を一歩半ほど下がって避け、そうすれば相手に殴られないと説明した。

相手が次の攻撃をしてきたら、同じ分だけ後ろに下がればいい。

そしたら次は、目の前で腕をぶらぶら振って、凶器や蹴りに備える。

そうすれば、相手が銃でも持ってない限り、致命傷は受けずに済む。

「でも先生、こうやって受けてばかりじゃ、攻撃できませんよ」

「誰かが通報すれば、すぐに警察が来るからな。攻撃を避けながら、助けを求めろ。護身術は、相手を倒すのが目的じゃないからな」

なんかカッコ悪いってことで、女子生徒『根本』からは不満が上がる。

「西先輩だったら、もっとカッコいい方法教えてくれそうなのに」

そこへ、恭弥登場。

恭弥もダエルの意見に同調し、みんなで「バックステップ腕ブラ戦法」を練習することになった。

部員たちが練習する間、恭弥はダエルと話し始めた。

シャフランから電話があり、20億でラノックを殺すよう言ってきた、と。

「従わなきゃ、オレの周りの人間を殺すと脅してきやがった」

一瞬ビビったダエル。

「ビビんなよ、ターゲットは女だそうだ」

それを聞いて、ダエルはこんなことを言う。

「シャフランの野郎、出世でもしたんすか? 20億だのヨーロッパの未来だの」

恭弥は、自分の作戦を話した。

ラノックが狙われていることを本人に伝え、囮になってもらうしかない、と。

「だけど、フランス大使がやられでもしたら?」とダエル。

「フランス情報局が動くだろう。それはオレたちが考えることじゃない。オレたちは、シャフランを始末するだけだ」

駐日フランス大使館で、来客を受けていたラノック。

客人が去ると、部下が入ってきて、西恭弥からの連絡があったと伝えてきた。

ラノックはすぐに、手元の電話で恭弥に連絡をとる。

「そんなことがあったのか」と言い置いてから、こう続けた。

「仕方ない。私がシャフランをおびき出す囮になろう」

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