ミシェルから電話を受け取った恭弥。
愛子がメインに抜擢されたことで、薫が腹を立て、駄々をこねているという。
ミシェルいわく、薫は人気があるから引く手数多なのだとか。
「違約金を支払ってでも、薫を欲しがる事務所は多いのよ」
薫はとにかく、恭弥に誤ってほしいらしい。
「それなら出ていけばいい」と恭弥。
でもそうすると、薫と一緒の番組に出ている女優たちまで降板になり、ドラマの役ももらえなくなるのだとか。
恭弥は怯まず、「クビにしろ」と宣言した。
驚くミシェルに、恭弥は断固たる意思を伝える。
「薫との契約は解除だ。すべて任せると言っといて悪いが、オレの言う通りに頼む」
食事に戻った恭弥は、首斬り屋について、京極と話し出した。
首斬り屋が出港する前に、処理したほうがよいと、京極は言う。
訓練については、恭弥ではなく、ダエルに任せるとのことで話がついた。
「メイン教官は須賀先生です。実力はオレと同等なので、心配ないですよ」
恭弥にしてみれば、『須賀先生』から『ダエル』に変貌を遂げてもらうという意味もあった。
傭兵時代の強さを取り戻してほしい、という意味だ。
こうして週3回、京極とダエルが訓練することが決まった。
さっそく、訓練をスタートするダエルと京極。
警備員たちもまた、スパーリングしたり、運動部の生徒たちと一緒に走ったりしている。
恭弥だけは、監督の立場で観察している状況だ。
そこへ、ミシェルからメールがあった。
薫が駄々をこねていて、恭弥に会って話がしたい、と言っているそうだ。
恭弥は面倒がりながらも、分かった、と返事した。
今度はラノックからの電話があった。
ドラマの件や車の件で話したあと、ラノックは自分のスケジュールを伝えてきた。
「来週の水曜日、午後3時に、さいたま市民球場に寄るよ」
これにより、敵の囮となる算段だ。
「やはり危険です。考え直したほうが…」と恭弥。
しかしラノックは、もう決心はついているようだった。
最後に恭弥は、ゴント社の件で感謝を述べ、電話を切った。
そのあと、ダエルと訓練中の京極に、相談を持ちかけるのだった。
水道に移動し、京極と話す恭弥。
球場での警護がどれくらいむずかしいかを尋ねると、わかりやすい例で教えてくれた。
「暗殺犯のほうが有利だ」と京極は言う。
「国内屈指の警護員が20名いたとして、私1人で暗殺を試みても十中八九成功する」
それを聞いて、恭弥は表情を堅くするばかりだった。
京極は、そんなことを訪ねてきた理由を聞いてきた。
でも今は、恭弥は事務所に向かわねばならない。
あとで話すと言い残し、その場は別れた。
事務所に着いた恭弥。
やつれた表情のミシェルを見て、何日も寝てないみたいな顔してるな、と思った。
どうやらミシェルも、薫にはかなり骨を折っているようだ。
薫が待つ場所まで向かうと、3人の女優が待っていた。
薫以外の2人は立ち上がり、頭を下げたが、薫だけは腕組みして座ったままだった。
「オレに話があるって? それなら早く済ませろ」と恭弥。
「なんなの、その態度?」と、薫は鋭い目つきで食ってかかってきた。
「あんたの望み通り、出てってやるわ。けどその前に、誤ってよね」
「オマエに謝るようなことなど、何もしてないはずだが」
恭弥の態度を受けて、薫は激昂する。
「制作発表の件よ。私に恥をかかせたわ。土下座しなさい。さもないと、この会社の連中をこの世界で生きてけないようにしてやるわ」
「オマエにはできない」と、恭弥は涼しい顔だ。
さらに恭弥は、薫以外の2人にも尋ねた。
「オマエたちは、コイツと一緒に出てくのか?」
真ん中に座った女優『麗香』は、薫について出ていくと宣言した。
「愛子、オマエはどうする?」
愛子は言葉につまり、堅い表情を浮かべていた。

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