第124話

早老症と聞いて、深刻な表情を浮かべる恭弥。

「そんなに深刻にとらえないでください」と氷室院長が言った。

氷室は検体の採取として、恭弥が怪我した右腕から少々の皮膚(血)を抜き取った。

「結果は1ヶ月後になります」

そう言い残し、氷室は部屋を出た。

ダエルが心配そうな顔をしているのを見て、恭弥は開き直って話し出す。

「オマエが心配しても何も変わんねえよ。それよりパンでも買ってきてくれ」

ダエルはむすっとしながらも、買い物に出た。

1人になった恭弥は、ヨボヨボになった自分を思い浮かべてゾッとする。

気を紛らわそうと、テレビのリモコンに手を伸ばした時、スマホが鳴った。

ミシェルからだ。

ドラマの話から入り、順調との報告を受ける。

「ドラマのことで心配かけないように、電話するのを我慢してたの。でも声が聞きたくなってね」

「会社の雰囲気はどうだ?」

「すごくいいわよ」

「そうか。近いうちに寄るよ」

この言葉を聞いたミシェルは、ヤッタ、とガッツポーズした。

通話を終えたタイミングで、ダエルが戻った。

ダエルは、恭弥の出席日数について話をする。

学校にいくなら制服が必要だけど、家に帰ったら怪我がバレてしまう。

ダエルの案で、運動部の誰かから借りよう、という方向で話はまとまった。

「鬼塚か姫野に連絡してみてください」

「ダメだ。あいつらじゃ、頼みじゃなくて命令になっちまう。根本か門倉だな」

ってことで、根本に連絡したところ、病院まで持ってきてくれるという。

通話を終えると、ダエルも帰宅した。

妻の実家に行く予定があるそうだ。

やってきた根元は、汗だくで何やら慌てた様子だった。

「馬場くんが、連れて行かれました」

なんでも根本は、途中まで馬場と一緒に病院に向かっていたそうだが、バス停の前にいた怖い連中に連れて行かれたそう。

「スポーツ刈りで、ジャージを着てました」

恭弥には心当たりがあったため、根元の電話で姫野に連絡させた。

通話がつながり、電話を受け取った恭弥は、単刀直入に尋ねる。

「馬場が大学生らに連れてかれた。連中が行きそうな場所、わかるか?」

連れて行かれた場所が仁道病院だと伝えると、姫野は予想を口にする。

「病院の向かいに、銀行があるわ。その裏の空き地に連れてかれたと思う」

目的地がわかり、恭弥はさっそく動き出す。

根本には、「危ないからここにいろ」と伝えたが、根本は聞かずについてきた。

歩きながらも、ゴルフ場で怪我した箇所に痛みを感じる恭弥。

コンディションは最悪だな…

相手が大学生のガキでよかった

人気のない路地裏で、うずくまる馬場を囲む大学生たち。

その数は15人。

先頭に立つ男は、ニヤニヤと険悪な笑みを浮かべながら、また一つ馬場に蹴りを入れた。

荒い呼吸をする馬場の前に、恭弥が姿を見せた。

「大学生にもなって、しょうもねえ」

恭弥は怒りをみなぎらせ、相手を睨むのだった。

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