残った1人のギャングと戦う恭弥。
相手が懐から取り出したのは、銃ではなくナイフだった。
構えを見る限り、ナイフを専門に扱うタイプでもないようだ。
安心した恭弥は、相手の一撃を軽くガードすると、まずはアッパーカット気味の拳を喰らわせた。
そのまま相手の右腕に関節技を決め、床に寝転ばせた。
「待て」という声も無視して、ボキッ!
ギャングが気絶したのを見て、立ち上がった恭弥。
ダエルがスミセンに首をきめられている姿が目に映った。
ダエルはすでに意識も失っていて、両腕をだらりと下げている。
自信あったんじゃねえのかよ、と心で呟く恭弥。
恭弥を睨むスミセンは、「契約のせいじゃねえんだろ?」と言ってきた。
首をポキポキを鳴らすスミセンの癖を見て、自信のある戦いのときによくやる癖だったと、恭弥は思い出す。
そこで恭弥は、心理戦に持ち込むことにした。
まずはスミセンの心を砕く作戦だ。
「オレの名を知ってもオレが誰か分からねえのか?」とフランス語で言い放つ。
名前は知ってる、とスミセンは答えた。
恭弥はゆっくりと、スミセンとの距離を詰めながら問いかける。
オマエは何で助かった?
隊員を裏切ったのはオマエか?
今オマエの手に掛かってるのはダエルだ。
スミセンは少し身を引き、「何者だ?」と聞いてきた。
「西恭弥だって言ってるだろ」
そして恭弥は、目つきを鋭くして、戦場で一般女性を襲おうとしたスミセンをボコボコにした話をする。
それを聞いたスミセンの顔から、血の気が引いていった。
ゴッド オブ ブラックフィールド、西恭弥、という言葉がスミセンの脳裏に浮かんだ。
「ありえない」と呟くスミセンは、恐怖のためか、少しよろけたりもした。
「無念の死を遂げた仲間がオレを蘇らせてくれたらしい。裏切り者の首をへし折ってくれとな」
スミセンは歯を食いしばり、「日本に来たくなかったわけだ」と呟いた。
しかし、恭弥の体が前と違っているのを見て、スミセンは気を取り直す。
「その貧弱な体でオレをビビらせようとは」
さらにスミセンは、手の内にあるダエルのことにも触れた。
西恭弥なら、ダエルを抱えるオレには絶対手は出せねえ、と。
「一歩でも近づいてきたら、ダエルの首をへし折ってやる」
そのとき、ダエルが意識を取り戻しかけたのを知って、スミセンは手をかけようとした。
瞬時に動いた恭弥が、右手の親指でスミセンの右目を狙い撃ちした。
叫び声を上げるスミセンは、ダエルを床に落としたが、今の恭弥の力のなさを知って怒りに燃えた。
スーツを脱ぎ捨て、恭弥と戦おうとするスミセン。
恭弥のほうも、自分の力とスピードのなさを再認識していた。
スミセンが襲いかかってきたが、恭弥は右、左と拳を決め、さらに複数の打撃をスミセンの肉体に浴びせかけた。
しかしスミセンは、そのすべてを腕でガードしていた。
恭弥の拳を受けながらも、渾身の一撃を繰り出してくる。
恭弥はガードしたが、パワーに押されて距離が生まれた。
力の差があるため、不利を自覚する恭弥。
急所を狙って一撃で倒すことを考え、さっきと同じように親指を立て、スミセンの目に狙いを定めた。
一瞬はヒットしたかに思えたが、スミセンの強烈な左ボディをくらい、息を詰まらせてしまう。
引いたらやられる、と自分に言い聞かせ、前に出る恭弥。
左、右、と打撃をヒットさせるが、スミセンの攻撃も喰らってしまう。
そのあとは互いに、攻撃と防御の応酬となった。
左の拳をヒットさせた恭弥が、スミセンがよろけたのを見て、右のボディをお見舞いした。
さらに恭弥は、スミセンの顎に膝蹴りを、脳天に肘打ちを、同時に見舞う攻撃を見せた。
なおもガードの構えを見せるスミセンだが、恭弥は最後に左のハイキックを喰らわせて床に沈めた。
さすがに疲労困憊の恭弥は、両膝に手を置いて呼吸を整える。
「またこのザマかよ」と呟くスミセン。
その胸ぐらを掴んだ恭弥は、「トドメをささねえとな」と言って拳を振り上げた。
一撃喰らわせた後、「もう1つ残ってる」と言って、さらに拳を振り上げた。
引用:ピッコマ

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