第38話

互いの顔が近づく恭弥と美紅。

目を閉じて唇を寄せてくる美紅に、唇た触れる寸前で「ちょっと歩くか」と声をかける恭弥。

そのまま互いの顔は離れ、美紅は目をそらして不満そう。

日が落ちかけの時間帯を、2人は並んで歩き出した。

怪我の具合は本当に大丈夫なのか聞いてくる美紅は、「学校には来れるの?」とも聞いてきた。

素っ気なく「ああ」と答える恭弥。

胸の内では、しばらく休む気でいたのに、と不満を漏らしている。

恭弥は、須賀先生の方が重症であることを伝えた。

2週間は顧問なしだから、部活も休止だと。

「2週間後には、期末テストが始まるね」と美紅。

それを聞いて驚く恭弥に、拳を作って威勢よく宣言する美紅。

「私、絶対1位をとる!」

最近勉強が楽しいという美紅を見て、恭弥はなぜなのか考えた。

そして、思い出した。

学年トップになったらキスする約束をしたことを!

ちょっと気まずそうに美紅を見ると、「どうしたの?」と言ってきた。

照れ臭そうに「なんでもない」とそっぽを向く恭弥。

そして美紅は別れ際、笑顔を見せて去っていった。

「勉強も頑張ってるみたいだし、まいっか」と恭弥は呟くのだった。

学校へ車で送ってくれる父。

運転中の父は、「これからどうするんだ?」と聞いてきた。

卒業後にどうするのか、という意味だ。

恭弥は大学について触れたが、正直言って学校の勉強は得意でもないため、あまり気が乗らない様子。

ふと閃いて、スポーツ推薦とフランス留学を考えている、と答えた。

フランス語の勉強が楽しいから、と。

「それを聞いたら母さん喜ぶだろうな」と父。

そして父は、「もう怪我なんてしないんだよな?」とも聞いてきた。

「大丈夫です、全部終わりましたので」と恭弥は笑顔を見せる。

学校に復帰してまず最初に会ったのは、姫野だった。

厚化粧に気づいた恭弥だが、とにかく素通りして教室に入った。

姫野は何か言いたそうだったが、言えず仕舞い。

教室内では、クラスメイトがザワザワと会話していた。

恭弥を見るなり会話をやめて、一斉に注目してきた。

壁際の席には鬼塚もいて、恭弥を見るなりそっぽを向いた。

鬼塚の顔は絆創膏だらけで、どこかで喧嘩してきたのが一目でわかった。

知ったこっちゃねえ、と思いながら、自分の席につく恭弥。

隣に座る美紅だけはニコニコと接してくれて、なぜかすごくご機嫌そう。

古典の授業中。

うとうとする恭弥のスマホがブルブルと鳴り、先生がイライラし始める。

美紅に起こされ、バイブ機能を止めると、ようやく先生もほっと息をついた。

スマホを見ると、ダエルからの連絡だった。

スミセンが病院関係者に通訳を頼み、株の話をした事で、ダエルの妻にもその情報が伝わって大変なんだとか。

とりあえず今じゃなくてもいいと判断した恭弥は、無音にしてスマホをしまおうとした。

と、次の瞬間。

何者かからこんなメッセージが!

「本番はこれからだ」

引用:ピッコマ

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