互いの顔が近づく恭弥と美紅。
目を閉じて唇を寄せてくる美紅に、唇た触れる寸前で「ちょっと歩くか」と声をかける恭弥。
そのまま互いの顔は離れ、美紅は目をそらして不満そう。
日が落ちかけの時間帯を、2人は並んで歩き出した。
怪我の具合は本当に大丈夫なのか聞いてくる美紅は、「学校には来れるの?」とも聞いてきた。
素っ気なく「ああ」と答える恭弥。
胸の内では、しばらく休む気でいたのに、と不満を漏らしている。
恭弥は、須賀先生の方が重症であることを伝えた。
2週間は顧問なしだから、部活も休止だと。
「2週間後には、期末テストが始まるね」と美紅。
それを聞いて驚く恭弥に、拳を作って威勢よく宣言する美紅。
「私、絶対1位をとる!」
最近勉強が楽しいという美紅を見て、恭弥はなぜなのか考えた。
そして、思い出した。
学年トップになったらキスする約束をしたことを!
ちょっと気まずそうに美紅を見ると、「どうしたの?」と言ってきた。
照れ臭そうに「なんでもない」とそっぽを向く恭弥。
そして美紅は別れ際、笑顔を見せて去っていった。
「勉強も頑張ってるみたいだし、まいっか」と恭弥は呟くのだった。
学校へ車で送ってくれる父。
運転中の父は、「これからどうするんだ?」と聞いてきた。
卒業後にどうするのか、という意味だ。
恭弥は大学について触れたが、正直言って学校の勉強は得意でもないため、あまり気が乗らない様子。
ふと閃いて、スポーツ推薦とフランス留学を考えている、と答えた。
フランス語の勉強が楽しいから、と。
「それを聞いたら母さん喜ぶだろうな」と父。
そして父は、「もう怪我なんてしないんだよな?」とも聞いてきた。
「大丈夫です、全部終わりましたので」と恭弥は笑顔を見せる。
学校に復帰してまず最初に会ったのは、姫野だった。
厚化粧に気づいた恭弥だが、とにかく素通りして教室に入った。
姫野は何か言いたそうだったが、言えず仕舞い。
教室内では、クラスメイトがザワザワと会話していた。
恭弥を見るなり会話をやめて、一斉に注目してきた。
壁際の席には鬼塚もいて、恭弥を見るなりそっぽを向いた。
鬼塚の顔は絆創膏だらけで、どこかで喧嘩してきたのが一目でわかった。
知ったこっちゃねえ、と思いながら、自分の席につく恭弥。
隣に座る美紅だけはニコニコと接してくれて、なぜかすごくご機嫌そう。
古典の授業中。
うとうとする恭弥のスマホがブルブルと鳴り、先生がイライラし始める。
美紅に起こされ、バイブ機能を止めると、ようやく先生もほっと息をついた。
スマホを見ると、ダエルからの連絡だった。
スミセンが病院関係者に通訳を頼み、株の話をした事で、ダエルの妻にもその情報が伝わって大変なんだとか。
とりあえず今じゃなくてもいいと判断した恭弥は、無音にしてスマホをしまおうとした。
と、次の瞬間。
何者かからこんなメッセージが!
「本番はこれからだ」
引用:ピッコマ

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