第11話

「オレを好きなのか?」という質問に、コクッと頷いた白井美紅。

その後、並んでベンチに座る2人。

美紅は恥ずかしそうに顔を手で隠しちゃってる。

恭弥がふと美紅に目を向けると、頬を染めた美紅は、

「キスくらい、いいよね?」と言ってきた。

いきなりの提案に、たじろぐ恭弥。

「イヤ?」と聞いてくる美紅の唇が、妙に艶かしい。

美紅はグイっと迫ってくるが、「オレら学生だし」と身を引く恭弥。

「みんなしてるのに」と言いながら、シュンとなって肩を落とす美紅。

恭弥が「お前が学年トップになったらな」と言うと、美紅はパッと表情を明るくして、

「ほんと? 私ずっとトップだったから自信ある」

驚く恭弥の前で、すっくと立ち上がった美紅は、「約束だよ、キス」と言いながら体が巨大化していった。

ビルみたいに大きくなった美紅が、キスを迫って恭弥を追いかける。

と、そこで目覚めた恭弥は、夢だったことに気づいてほっとした。

時計を見れば7時半。

制服で出かけようとする恭弥を見て、母は「今日は土曜だから、休みでしょ」と聞いてきた。

「3年だから、補修があって」とごまかして、外に出た。

土曜に授業がないことを良い時代と思いつつ、スマホでダエルに連絡を入れる。

G・O・Bが補修なんて、言い訳にしては無理がある、そんなことを言いながら車を運転するダエル。

どうやらダエルの誘いのようで、恭弥は行き先も知らなかった。

やってきたのは、自然に囲まれた地鶏鍋のお店。

ビールを一気飲みするダエルを見て、「オレにも」とせがむ恭弥。

でもダエルは許可してくれない。

すっかり日本人として定着してきたダエルに、恭弥は「今の生活に満足してるのか?」と尋ねた。

するとダエルは少しはにかんで、体育教師に生まれ変わってからのことを話してくれた。

他人として生きることに、最初は気が変になりそうだったダエル。

夜な夜な喚き散らしたが、その度に寄り添ってくれたのは妻と娘だった。

自分がいないと家族はどうなるか心配になり、立ち直っていったのだった。

「神様がくれたチャンスと思って、頑張って生きるっす」

「ここは本当にクソ平和な国だからな」

「登校2日目で暴れた人が何言ってんすか?」

そして2人は、大声で笑い合うのだった。

真顔になった恭弥は、月曜日に暴力団の元に乗り込むと切り出す。

協力しようとするダエルだが、恭弥は自分の問題だと言って場所を教えなかった。

2人は少し食事を続け、その後にダエルが聞いてきた。

今まで何人殺してきたか、と。

「軽く数百は超えますよね?」と尋ねてきたダエルは、「行かないでください」と続けた。

奴らの挑発に目を瞑れば、平和な世界で暮らせるんだから、と。

でも恭弥の決心は揺るがなかった。
帰宅して部屋に戻った恭弥。

暗い部屋の中で、武器を持った何人もの暴力団相手に1人で戦う姿を思い浮かべる。

四方からの攻撃を受けても、最初は順調に相手を倒していくが、背後から1つ刺されたのをきっかけに、一斉に刃物の餌食になってしまった。

息を切らせて床に手をつく恭弥。

弱くて遅いこの体じゃ、頭でイメージするほど動けない。

この状態では、戦うのは難しそうだ。

そのころ美紅は、自分の部屋でベッドに横になり、すぐ脇に置いたスマホに視線を向けていた。

引用:ピッコマ

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