第143話

父からの電話を受信した恭弥は、今はUBコップの社長と一緒にいることを告げた。

父のほうは、家に帰っても、母には内緒にしておくと言ってくれた。

まだ須賀先生と一緒にいるらしく、先生にもお礼を言うようにと言われた。

電話に出たダエルに対し、恭弥は敬語を使って例を述べる。

父へのパフォーマンスだ。

通話を終えると、今後の動きについて京極と話し合う。

両親のこともあり、あまり家から離れたくない、と希望を述べた恭弥。

それならうちの事務所に、と京極が提案してきた。

ということで、UBコップへ。

UBコップに到着した、恭弥と京極。

すでにダエルが待っていて、3人で話し合う。

まずは、拡散された動画を確認するため、タブレットの電源を入れた。

つい先程の生々しい戦闘風景が、しっかりと収められていた。

「ニュースや新聞に取り上げられていないのは、不幸中の幸いだ。黒川のチームが、映画のPR動画と言って対応してるそうだ」と京極。

画質も悪くないため、見る人が見ればバレる、とダエルは心配した。

学校よりも、嫁にバレたくないようだ。

そこへ恭弥のスマホがなり、出ると神代からだった。

敵はまだ見つかっていないが、おかしな情報をキャッチしたらしい。

「ネットに出てる動画に、知り合いがいてな」

「お前の組のヤツじゃあるまいな」と、恭弥が問いかける。

「バカいえ。うちのもんはお前にゃ手ぇ出さねえよ」

神代いわく、その知り合いとは同時期に「部屋住み」してたそうだ。

そいつは突然、海外、おそらく中国に飛んだ。

「日本を離れて十数年経ってるが、戻ってきてたとは。見つけ出して、お前の親父さんを襲撃した落とし前とつけさせてやる」

「くれぐれも勝手に手ぇ出すなよ」と、恭弥は戒めた。

神代は了承し、ダエルについて触れてきた。

「先生は何者なんだ? あの身のこなしは、カタギじゃねえぞ」

それを聞いて、ダエルはほくほくする。

通話を終えると、再び3人で状況を洗い出す。

連中は、恭弥の知らない言葉を話していた。

「欧米の言語じゃありません。おそらく、中国語でも」

ゴルフ場の件と合わせて考えると、二カ国以上が手を組んだ暗殺者集団の可能性が高い。

そこへ黒川が現れ、4人で話し合いが始まった。

(黒川は、着替えの差し入れも持ってきてくれた。)

京極から状況を告げると、黒川は持論を述べる。

「ロシア・中国・東南アジア、それにアメリカも、日本を牽制する理由があります。あらゆる可能性を踏まえて調査します」

「それより」と恭弥は歯を食いしばった。

「なんで父さんが狙われるんです? ユニコーンのことなんて、何も知らないのに」

「守りきれなかった、我々の責任です」

黒川が悲痛な表情でわびると、恭弥のほうも声を荒げたことをわびた。

「父さんを守ってくれた3人の容体は?」

「幸い、みな一命を取り留めました」

後部座席にいたものは全治6ヶ月の重傷を負ったが、ほかの2人はすぐにでも現場復帰できそう、とのこと。

とりあえずほっとした恭弥は、目を閉じて少し考える。

目を見開き、切り出した。

「大元をほっとけば、何度も攻撃を仕掛けてくる。今度はこっちが攻撃する番です」

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