山本組を潰した噂は、連中の耳にも届いてるはず。
なのに出てきた人数が少なめだったもんだから、なめられてると感じる恭弥。
さっそく1人が、バットを全力で振り下ろしてきた。
「死ねぇ」と叫びながら。
さっそバックステップで避けた恭弥は、遅い、と感じていた。
次の相手のパンチも、左腕で軽く避ける。
弱い、と感じながら。
さらにもう一つのパンチも避け、つまらない、と思う。
首斬り屋との対戦を控えているだけに、準備運動にもならねえ、と。
殺さない程度に痛めつけてやる、と思いつつ、1人に対して一撃ずつで倒してゆく。
最後に残ったスキンヘッドは、恭弥を捕まえようと手を伸ばしてきた。
恭弥は、サッカーのようにスキンヘッドの足を蹴る。
相手は前のめりになってよろけ、両手をついて四つん這いの格好になった。
そこへ、恭弥の膝蹴りがヒット!
あっというまに7人を倒した恭弥は、リーダーを睨む。
「来るな」と叫ぶリーダー。
「俺に命令すんじゃねえ」
恭弥はそう言いながら、ツカツカと歩み寄り、正面から頭突きを見舞った。
倒れたリーダーの左腕を取ると、「このまま帰したら、学習しねえよな」と言って、ボキッ!
残っている連中に目を向け、「次!」と鋭い眼光で睨む。
しかし、誰もかかっては来なかった。
「また集まってたら、腕へし折るからな。見逃してやるのはこれが最後だ」
そして恭弥は、鬼塚たちに声をかけて、その場を後にした。
「飯食いに行くぞ」と。
トンカツ亭で食事する、恭弥たち。
恭弥は姫野に対し、運動部で体を鍛えることを提案した。
「学校でイジメが起きたら、タダじゃおかねえ」とも。
姫野はその点について約束し、代わりに例の3人の不良女子は好きにしていいことを確認した。
「好きにしろ」と恭弥。
食べ終わると、恭弥は姫野をバス停まで送った。
ここら辺は連中の縄張りだからと、姫野が頼んできたのだ。
直後、ダエルから電話がきた。
大丈夫かどうか簡単な会話をして、すぐに通話を終えた。
その後、京極からメールが届いているのに気づき、電話をかけた。
京極いわく、劉珉邦の船が水曜日に出港するとのこと。
通常であれば運航許可には3〜5日ほどかかるが、輸出ということで便宜を図ってもらったらしい、と。
となれば、劉珉邦はラノックとは全く無関係に動いている可能性もある。
「特殊部隊は準備を済ませ、疑われそうな奴らは撤退するつもりなのだろう」
「なら、オレたちが狙う相手は…劉の船ですね?」
とりあえず様子を見よう、という京極。
船は横浜港から出る予定で、情報が入ったらまた連絡する、と。
電話を終えると、恭弥は思案した。
抜け目のないシャフランにしては、なんだか変だ。
日本から出られれば、それだけでいいのか?
(オレたちは)何か見落としているのかもしれない…
とりあえず帰って眠ろう、と思い、バスに乗ろうとした矢先。
スマホが鳴って、結局バスには乗らずに会話し始めた。
ラノックからの電話だ。
「シャフランの(電話)番号は、同じ数字だったか?」と聞かれ、
「すべて1でした」と答えた。
ラノックは、新しい情報が2つある、と伝えてきた。
1つは、シャフランの口座が、送金が不可だったこと。
要するに、シャフランはこちらに金を渡すつもりなどなかった、ということだ。
もう1つは、シャフランがフランスの周波数帯を使ってたため、そこから足取りを掴めたとのこと。
シャフランの位置を掴めたのだ!

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