第110話

総理大臣の沢村義雄は、官房長官の原田と、内密で会話している。

総理いわく、彼ら(野党?)の目的は、自分を総理の座から下ろすことだと…

「国会はおろか、国内外の勢力が彼らを支持してます。とはいえ、鉄道ブロジェクトを政治に持ち込むとは…」

すると原田は、こんな提案をした。

「見せしめとして、総理の力で大手企業を1つ潰してみてはどうでしょう?」

沢村は、その意見には即座に反対した。

彼らに団結する理由を与えるものだ、と。

それでも原田は、マスコミを利用すれば問題ない、というような意見を述べた。

それでも沢村は、頑として譲らない。

「政治家の争いに国民を巻き込んではいけません」

それを聞いた原田は、浅はかな意見を口にしたことを詫びた。

沢村は、自分が総理の座から下りることで、鉄道ブロジェクトが成功するならそれもよし、と言う。

そして沢村は、どこからか伝え聞いたであろう名前を口にした。

「西という例の彼に会うことは叶いますか?」

「表立って会うのはむずかしいかもしれません。しかし、偶然を装って会うのでしたら…」

沢村が一つ頷くと、原田は続けた。

「ゴルフはお好きでしょうか?」

そのころ恭弥は、高級なお店で両親に正装をプレゼントしていた。

カードで支払いを済ませ、父の車へと移動する。

食事していこう、という父に賛成してから、「帰りは学校に寄ってもらえますか」とお願いした。

「部活を見てこようと思いまして」

というわけで、学校へ。

部員たちがランニングする間、恭弥とダエルは、トレーニング室で軽く会話していた。

ベンチプレスでひと汗流した恭弥に、姫野が話しかけてくる。

「2人で話せる?」

「先生がいては話せないなんて、オマエまた…」

と言いかけたダエルだが、どうやら悪巧みではないと察し、席を外した。

残った恭弥に、姫野は真顔で、「コーヒーご馳走して」と言った。

意図が掴めない恭弥に、姫野はその理由を打ち明ける。

「広瀬先輩が通ってる大学の人に、あんたと仲良いとこ見せつけたいの。そうすれば、手を出してこなくなるから…」

どうやらまた、姫野はまたトラブルに巻き込まれてるようだ。

それを聞いた恭弥は、条件付きで承諾する。

夏休み明けにイジメが起きたりしないように、と。

そしてすぐに、他の連中も連れて行くことを提案した。

しかしそれには、姫野が反対する。

「みんなと一緒じゃ、あんたと仲良しって思ってもらえないでしょ?」

しょうがねえな、って感じで、恭弥はOKした。

姫野は嬉しそうに笑顔を見せた。

コーヒーショップにやってきた、恭弥と姫野。

コーヒーを頼んで席につくなり、姫野は進路相談してきた。

「これからどうしよう…」

姫野いわく、鬼塚はUBコップ入りを目指して鍛錬中、2年の部員たちも進路は決めている。

自分だけ取り残されているようで、ちょっと不安のようだ。

「女でも、UBコップに入れるのかな?」

「さあな。コーチのヤツらに聞くこったな」

ぶっきらぼうな恭弥の答えに、姫野はカチンとくる。

もうちょっと優しくしてくれないと、仲良く見えないじゃない、と。

そしていきなり、姫野の表情が凍りついた。

店に入ってきたのは、人相の悪い男2人組。

一人は、胸に『光帝大学』とデザインされたジャージを着ている。

どうやら広瀬の仲間らしい。

2人は姫野に気づくと、うすら笑いを浮かべて話しかけてきた。

「あんたらに関係ないでしょ」と姫野は俯いたまま口にした。

「あんたら?」

言葉遣いがなってない姫野を、怒りの表情で見下ろす男。

今にも何かしでかしそうな男に向かって、立ち上がった恭弥が「おい」と呼びかけた。

「女の前だからってカッコつけてんじゃねえ。俺らが誰か…」

男が言い終わる前に、恭弥の左ストレートが炸裂!

一撃でノックアウトし、倒れた男を見下ろした。

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